ある猫の一生

最近、また昔の漫画を読んでいる。「動物のお医者さん」だ。

動物のお医者さん (第8巻) (白泉社文庫)

動物のお医者さん (第8巻) (白泉社文庫)

シベリアンハスキーブームのきっかけとなった漫画である。テレビドラマにもなったことがあるそうだ。


何年かに一度読みなおしたくなる漫画のひとつである。


この漫画の文庫本第6巻の巻末に藤原新也氏が解説を寄せている。題名は「ある風来猫の短い生涯について」。

藤原新也氏といえば、人間の死体を喰っている犬の写真、そして添えられた「ニンゲンは犬に食われるほど自由だ」で有名な作家だ。

解説だというのに漫画本編にはまったく触れず、自身の経験談を語っている。なのに、不思議と漫画そのものが持つ本質を突いているようにも読める。不思議な解説だ。藤原新也氏にしか書けない潔い文章だった。