金鼓という日本酒
先日買った日本酒、金鼓。実はまだ開けていない。
sa10kazu氏のお言葉に甘えて松林にお持ちできる日まで取っておこうと思っている。おいしければ喜んでもらえるであろうが、それほどでもなかったらガッカリされるなぁと半分ワクワク、半分ドキドキな気分だ。
その金鼓を紹介しているページ*1があったので、そこにリンクを張っておいたのだが、そこにこんな記述がある。
大学を卒業した後、東京で働いていた息子さんが蔵に戻り、再開を決意。
これまで金鼓の杜氏として長年指揮を取ってきた、井谷 恒雄杜氏(兵庫県:但馬)の元へ「もう一度金鼓で、酒造りをして下さい。」とお願いに行きます。しかしご家族の方から「父はかなりの高齢(83歳)です。父とお正月を過ごせたのは中止された3年間だけなんです。連れて行かないで下さい。」と言われます。
その後も彼は何度も何度も足を運び、杜氏とご家族を説得。
今年再び酒造りがはじまりました。
杜氏は83歳という高齢の方だと言う。それにもまして家族とともに正月を過ごせたのが酒造りのなかった3年間だけとは。
酒造りを描いた有名なマンガに「新装版 夏子の酒(1) (講談社漫画文庫)」がある。酒蔵の苦悩をよく描けたマンガだ。何度も読んでいる。このマンガにも杜氏が奥さんと正月を過ごしたことがないという話が出てくる。
酒造りの最中に杜氏のお母さんが亡くなっても、奥さんは杜氏に連絡を入れなかった。すると杜氏は帰ってきてから「よく黙っててくれたな」と奥さんを誉めたなんていう話も出てくる。
10年以上前に一度、奈良の酒蔵を訪れたことがある。独特の匂いがしてた。そこのおかみさんらしき人が原酒を気前よく試飲させてくれた。調子に乗ってガブガブ飲んだせいで、旅館に帰ってから足腰が立たなくなった。
あのとき、酒蔵なんて珍しい、くらいの気分でただお酒だけに目が行っていた。なんて惜しいことをしたんだろうと思う。今ならもっといろんなものが見えるだろうに。
金鼓を開ける日が待ち遠しい。
- 作者: 尾瀬あきら
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/06/11
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