「屍鬼」の登場人物の魅力

全5巻のうち、3巻まで読了しました。1,2巻で点々と表出していた事件が3巻に入って一気に繋がりだし、そして向こう側の世界が見えてくる...急加速の3巻でした。

圧倒されるのは登場人物たちの生々しさ。顔が、服装が、姿態が見えてきそうな描写。でもみんな、えらく難しい言葉を喋りすぎでないかい?田舎の人たちがしゃべる言葉じゃないぞ。みんなボキャブラリー豊富すぎ。


静信の「空洞の教会、空洞の祭壇、司祭はいても神がいない。信仰に対する固い決意だけがある。」という気持ちは、オレも昔味わったことがあるような気がする。というより、今でも探しているような気がする。


個人的にはリアリストとして行動する敏夫が一番好きだな。そしてリアリストのくせして不可解な現象に非現実的な着想を持ち込み、限られた合理を組み上げる思考の柔軟さが好きだ。しかし何度読んでも「招待されないと入ってこれない」という点にどうやって気づいたのかわからない。どこからそんな着想を得たんだろう。

屍鬼(三) (新潮文庫)

屍鬼(三) (新潮文庫)


もし沙子が本当にいたら、確実に惚れちゃうだろうなオレ...(←3巻読了時点での感想。沙子が何者なのかまだ不明。)


ちなみにこの「屍鬼」に関しては

といった豆知識があります。

こうやって作品の連鎖が生まれて、良い作品が再生産されて、広がっていくんですね。そして文化へと昇華する。松本零士さんはこのへん分かってらっしゃるんでしょうか。世の中に100%オリジナルなんてものが存在すると信じているなら大爆笑問題。