こうして嘘をついてしまう

ここ数年、企業の偽装や隠蔽の報道が続いている。船場吉兆の偽装事件もまたそのひとつだ。

タイトルがあまりにもタイムリーだったので買ってみた。最近のトレンドを見て売れる本出したんだな、と思ってあまり期待していなかった。

取り上げられているのは

どれもこれも当時大騒ぎになった事件ばかりだ。著者は危機管理を専門とする樋口晴彦氏。


内容はさすがに専門的なところまで踏み込んでいて、意に反してとてもおもしろかった。特に最近よくニュースになっている沖縄集団自決事件は決して朝日新聞が載せないことを書いている。


みずほ銀行システム障害についても、SEであるオレが読んでも突っ込むところがない。的確に問題点を指摘している。


個人的に印象に残っているのは米原万里さんの「不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)」を引用して、いかに会社の理念を社員に伝えるかを説いている第4章、そして「不知のベール」を紹介しているあとがきだった。


公正とは中立とはなんなのかを問うているあとがきが、一番印象に残っている。「不知のベール」に、今とても興味がある。