洗脳?
ずっとずっと小さな頃から親に言われていた。
小学生の頃、お祭りで買ったヒヨコが死んで、泣きながら一生懸命お墓を作った。そのとき、母親と親戚がたしなめるようにオレに言った。「優しすぎんねん。そんなことじゃ、将来苦労するで。」
この言葉は他の機会にも何度か聞いた覚えがある。
いつの間にか、オレの中でずるがしこく立ち回ることが美徳になっていた。
自分に正直になってみた。先のことを考えず、ひたすら自分に正直になってみた。
まだまだ大丈夫。まだオレの中身は残りがある。全部無くなるまでに、見たこともないものを手に入れられる。そんな気がする。
もし何も無くなっても、それはそれでいい気がする。