バブル再来か

最近、起業しようと考えているんです、という話をよく聞く。

まあ、100人いれば99人が妄想の域を出ていない。


まず企画書を見せろと言うと何の数字も書かれていない、理屈だけがタラタラ書かれた文章だけの書類が出てくる。基本の5W3H*1すら書かれていない。

だいたい、ダメな企画を持ってくるヤツの思考パターンは決まっている。

  1. こんなことできればいいのにな〜 (発想)
  2. どうやればできるだろう? (構想)
  3. これはいいな。あれもいいな。 (情報収集)
  4. あれをこうやって、これをこうやればできる! (決定)

だいたい、(3)の情報収集の段階で自分に都合のいい情報だけを集めてしまうのである。都合の悪い情報を隠蔽しようとしているわけではない。都合の悪い情報は目に入らないのである。

だからツッコミどころ満載である。機嫌が悪いとついイジメてしまう。


企画書の9割方がパラパラとめくった時点で却下である。残る一割が「ま、会ってみよっか」という話にはなるが、まあカネを投下するところまでいかない。たいがい「ココどうすんの、コレはいつまでにやるの?」と突っ込むと (((( ;゚д゚))))アワワワワ となって、そこで話が終わる。


企画書が一発で通るわけがないのに、みんな一度のダメ出しでお蔵入りにしてしまう。せっかくこっちが抜けや間違いを指摘してるんだから「また練り直してきますから、見てもらえますか」と言えばいいのに。

さらに企画なんて絶対にどこかにリスクを抱えているのである。リスクのない企画なんざありえないのである。もちろんこっちはリスクが気になるからそこを突っ込むのだが、どうも「リスクがある=ダメな企画」という連想が働くみたいで、そこをちゃんと説明しない。絶句するか、ごまかすか、今気がついたフリをするか*2のどれかである。アホか。どのくらいのリスクなのかちゃんと見積もって「このくらいのリスクです」って堂々と言え。


自分のケツを守るのに一生懸命な妄想野郎の企画を見ているとおもしろくはあるが、得るものがない。


ちゃんとした企画力のある人はそれなりに人脈も情報網も持っているものだから、こちらもそんな優秀な人から飛び込みで企画を持ち込まれるとは思っていない。だが根拠のないプライドを守るのに必死な妄想野郎の相手をしているほど暇なわけでもないのだ。そんなのを育ててもこちらにメリットはないのだ。そもそも育つわけがないし。


どこかに鉄砲玉のサイコ野郎はいないもんだろうか。

*1:5W3H → Who,What,Why,When,Where,How,How much,How long (How manyのときもある)

*2:本当にその時点で気がついたのなら、それはそれでアウト。次回までの宿題になる。次回があれば。