ICプレイヤーの不具合

Yahoo!ニュースに大学入試センター試験のリスニングで使われたICプレイヤーの写真が載っていました。

この写真を見て、少し考えを改めました。


大学入試センター試験のリスニングでトラブルが起こった件数は、Yahoo!ニュースの記事によると「50万台弱のうちの約400台」とのこと。

ICプレイヤーの構造のチャチさや、メモリースティックを使っていることを考えると、この故障率は大変優秀な数字です。誉めてもいいくらいです。

じゃあ何が問題だったんでしょう。それは大学入試センターの「故障率をゼロにする」という考え方です。そして不具合が出た場合は再試験という方法です。


100%の品質とコスト

考えてみましょう。50万台の故障率をゼロにするにはどうしたらいいかを。50万台全てで30分間、試験で使われるのと同じ操作をするしかないのです。そんな人件費、誰が払うんでしょうか。しかも全数検査したって故障は出ます。50万台もあれば必ず出ます。静電気などによるメモリースティックの誤動作、検査後から試験開始までにヘタる電池。もちろん想定できない原因による不具合もあるでしょう。


品質を100%にするということは膨大なコストがかかる上になんら保証がありません。どんなに本番と同じ環境で試験しようが、それは本番ではないからです。

純度100%の金など幻なのです。