デスマーチを始める人

大学入試センター試験のリスニングでトラブルが相次いだ21日夜、東京都目黒区の入試センターで記者会見した松浦功事業部長は「(トラブルがあったと)手を挙げた受験生は、すべて再テストにすることを決めていた。性善説に立っている」と語った。 センターに対する批判をかわすように、身ぶり手ぶりを交えながら「性善説」を繰り返す松浦部長。「不備があったのは残念だ」としながらも「再テストで手当てし無事終えた」と強調、謝罪の言葉はなかった。

こういう人がトップだと、プロジェクトは間違いなくデスマーチと化します。

「試験前の確認時に問題がなかったのに、なぜ試験途中で動かなくなったのか」と首をひねった。

試験前の確認がザルだったからです。ルーチンワークしかできない人の典型的思考方法です。自分の想定外の事態になると思考が停止する。

そもそも確認作業はどのような内容だったのか。

試験が30分あるなら、30分間動かしてみたのか。受験生がやるように再生・停止を繰り返しやってみたのか。音量調節を激しく上下させてみたのか。

さらに以下の記事。

記者会見した松浦功事業部長は「再テスト自体はすべて順調に終わった。(機器の故障率については)ゼロだと思っており、何%の故障率になるかなど予想や把握はしていない」と、事前のトラブル想定への甘さもうかがわせた。

全然リスク管理してません。事前に故障率を見積もっておかずにどうやって試験監督する人数を割り出してるのか不思議です。スペアのICプレイヤーの数もね。

だいたい「(機器の故障率については)ゼロだと思っており」というのがダメです。松浦功事業部長の故障率は100%です。

数台というならまだしも数十万台という数の機械に対して故障率ゼロなんてあり得ません。


昔、Sさんというプロジェクトリーダーがやったことを思い出します。

デスマーチと化しつつあるプロジェクトを隔離するために、開発環境を丸ごと別室に移動させることになったとき、ネットワーク機器の担当がSさんでした。

見事なネットワークができあがりました。ケーブルが届かない、あっちのHUBはポートが余りまくっているのに、こっちのHUBはポートがまったく足りない、電源も足りない、そもそも社内のプライベートIPアドレスの割り付けも手配してない。

ただでさえ時間の足りないプロジェクトが丸二日止まったのです。

そしてようやく開発作業ができるところまで環境が整ってきたところでSさんは言いました。





「いやぁ、大変だったねぇ。」


自分が何をしなければいけないかをまったく自覚していない。こういう人間がリーダーとなれば、そりゃ組織は迷走します。オレは遁走します。