言葉というフィルター


人は言葉という記号でしか、他人に伝えることができない。


伝えたい気持ちを表す記号が浮かばないときもあれば、相手が理解不能な記号しかないときもある。二人の間で理解が違う記号だったりする場合もある。この場合はお互いの誤解に気づくことすらできない。



象は鼻が長くて体が大きい。象を見たことがない人に言葉で象の姿を伝えられるだろうか。写真やイラストならたわいもないことだけど、言葉だけで伝えようとすると絶望的だ。



人はついつい言葉を自分が理解したい形でしか理解しなかったりする。せっかく伝えた言葉を忘れられてしまうこともある。




人と人が何かを共有するというのは、どれだけの奇蹟なんだろうか。



気持ちを伝えるためには、言葉は一番適さない道具じゃないかと思ったりする。