似たような人がいる

「moriyama.com 夏の科学&SF文庫99冊」を見てみると、懐かしい本が紹介されていた。

「無限の果てに何があるか」は確かにおもしろかった。そしてamazonでその本を買った人が他にどんな本を買っているのかを見てみると、「「無限」に魅入られた天才数学者たち」「無限論の教室」「無限のパラドクス―数学から見た無限論の系譜」なんかがリストされている。確かにオレもその辺りの本を同時期に読みあさったなぁ。


思ったことは二つ。


まず同じ道を歩んだ人がいるんだなぁ、と少し不思議に思った。同じことを疑問に思って、同じ本を読んだ人達がいたということが、少し不思議な気がした。

次に安心した。自分が通ってきた道を歩んだ人が他にもいる。この安心感はなんだろう。他の人がどうであろうと、これらの本を読んだのは個人的に興味があったからでしかない。自分の好奇心を満たしたいから読んだだけなのに、同じ好奇心を持った人がいただろうということになぜ安心感を覚えるんだろうか。


確かに孤独感はある。無限論や数学基礎論に興味がある人なんて、周りには一人もいない。アフォーダンスを中心にした認知心理学や、ホロン、自己組織化、オートポイエーシスなどのシステム論、etc etc....周りにこれらの話題を共有できる人は皆無だ。全部自分で書籍を通して知識を溜め込んでいるだけにすぎない。自分の意見ができてきても、それを批判してくれる人もいない。

この孤独感が癒されるんだろうか。でもなぜ?


同じ好奇心を持った人がどこかにいるということが安心感につながる理由がわからない。仲間がいるということに安心するのは、人間としての本能なんだろうか。


.....何なんだろうね、この奇妙な安心感は。



今は「粋な旋盤工」を読んでみたい。