人生を決めたモノ

ドリームバトンにお答えしようといろいろ考えている内に、おもしろい事に気がついた。

オレの人生が進む方向を決めたモノが二つあるってことに。

一つは幼稚園の頃、親が買ってくれたウルトラセブンの紙芝居。これがすごく大好きで、毎日毎日、ミカンの段ボール箱の中に入って何度も何度も読んでいたことを覚えている。

思えば子どもが個室を持つなんて金持ちでなければありえない時代だった。ミカンの段ボール箱は、オレにとっての個室だったんだな。

母親が「あんなに何度も読んで、よー飽けへんなぁ。」と飽きれていたのも覚えている。

でもオレはあの紙芝居でひらがなとカタカナを覚え、ウルトラセブンが見たいがために新聞のテレビ欄と時計の見方を覚えた。

まだ近所の子どもたちは字も読めなかったし、時計の見方も知らなかった。年上の子も含めて、みんなオレに聞きに来てた。そのおかげでずいぶん得をした。

そのおかげでいろんな勉強もだいたい先行してた。中学くらいまでは学校の勉強よりも進んでいて、五木の全国模試とかいうのでもけっこういい成績をもらっていた。偏差値が68〜72くらいだったから、かなりよかった。

でも油断大敵。高校に入るなり、それまでの貯金を全部使い果たしてしまった。バイトとバンドとバイクにのめり込んでまったく勉強しなかったせいで、学年で下から数えて二番目というていたらく。ダメだこりゃ。卒業式も赤点のせいで出れなかった。

親はちゃんと勉強させてくれてたんだなー。ごめんなさい。


二つ目はオレが小学生高学年のときに父親が買ってきてくれたコンピュータの入門書。まだパソコンはマイコンと呼ばれていて、確かNECPC-8001富士通のFM-8、SHARPのMZ-80シリーズくらいしかなかった。

内容はとても小学生に読める代物じゃなかった。でもオレは理解できないなりにむさぼり読んだ。そこで二進数やブール代数の基礎は身につけていたように思う。

そのおかげかBASICはすぐ覚えた。今でも情報数理の入門書なんかがけっこう楽に理解できるのは基礎がオレの脳髄にしみこんでいるからだと思う。

中学生の頃はもうコンピュータ関係の仕事をするんだと確信してた。


で、まぁ今はコンピュータ関係の何でも屋をしている。オレは自分で自分の進む方向を決めたと思っているけれど、実は父親の思うツボだったんじゃないかなとも思える。

父親には感謝している。


オレは息子をこうやってさりげなくサポートできるかな。