広がる音
たった今流れているBGMはパット・メセニーの「Secret Story」。
- アーティスト: Pat Metheny
- 出版社/メーカー: Geffen Records
- 発売日: 1992/07/14
- メディア: CD
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このアルバムを聞いていると背筋が寒くなる。一体どこからこれだけの音のインスピレーションを得るのだろう。あらゆる音色、メロディー、発想がここにある。「ジャズの本質は自由だ」という言葉はよく聞くけれど、"自由"が怖いと思わせられるほど広く広く音が響き渡る。しかし輪郭を失うことなく。
2ちゃんねるの音楽板を覗いてみると、定期的に沸騰している話題があるのに気がついた。「メロディーは有限なのか?」だ。
よくよく読んでみると実は「メロディーは有限である」という意見は非常に少ない。しかし「メロディーは無限である」という正解を持った人もまた少ない。ほとんどの人は「メロディーがもし有限だったら、いつか音楽は死に絶える」という漠然とした不安を持った人達だ。「音楽がいつか死に絶える存在であるなら、自分が今音楽をやっている意味はなんだろう?」というわけだ。
メロディーが有限に思えてしまう理由は楽譜自体が持つ表現力の限界でしかない。
音楽を余すところなく記述できるのは音楽自身以外に有り得ない。しかし最近はDTM主体の人が増えたせいか楽譜を通してしか音楽を覗けない人が増えているように思う。
今流れている音楽は、こんなつまらない冗談にも似た疑問があることすら知らないのだろうな。
音楽を「流れる」と最初に表現した人の感性はすばらしいなぁ。