大丈夫か著作権

石高さんの指摘を受け、同社編成局長は10月9日付で文書を送り「貴殿の著作物をもとにVTRを制作した事実はない」と答えたが、「著作権侵害」と改めて抗議を受け、1月27日付で「参考文献として掲げる配慮をすべきだった」「配慮を欠いた点をおわびする」とした。ただ「事件そのものは歴史的事実。再現映像が先行の文献の表現と類似することは避けられない」とも述べ、「著作権は侵害していない」と主張している。


「事件そのものは歴史的事実。再現映像が先行の文献の表現と類似することは避けられない」って逃げ口上はかなり卑怯ですね。


確かに記述が類似してしまう側面はあるでしょう。しかし問題はそこじゃない。


「参考文献として掲げる配慮をすべきだった」とコメントしているということは、制作の時点で問題の著作の存在を知っていたということだよね。再現映像を制作するために問題の著作を使ったのでなければ、何の資料を使ったんだ?



オレは便利屋SEを長年やっているせいもあって、けっこういろんなコンピュータ関連雑誌に目を通している。その中によくUnixWindowsなどのOSの歴史や、C言語の歴史などを紹介している記事を目にする。


内容で目新しいものはほとんどなく、中には明らかに他の本の引写しだと考えられる記事が多い。


今はもうない InsideWindows という雑誌は特にひどかった。歴史関係の記事はほとんど他の本の引写し。技術関連の記事はメーカーが公表しているオンラインマニュアルやサンプルの説明をくだけた表現にしただけ。DirectXにDirectPlayが追加されたときにTCP/IPの歴史が説明されていたのだけれど、完全に他の本からパクっていた。もちろん参考文献の記述もなし。オリジナリティのカケラもなかった。消えて当然だったね、あの雑誌は。


現在数あるコンピュータ関連雑誌も、一方で著作権啓蒙記事を展開しておきながら、自らの権利意識はおざなりになっている雑誌は多いです。初心者向けの雑誌ほどそういう傾向が強いです。(当たり前か)